人外愛流のお話。 <羨望2>
悲鳴の主はほんの少しの恐怖と羨望の眼差しを向けてきた。
「あの・・・あな、たは?」
「人に聞く前に自分が名乗りなさいな?」
ありきたりな台詞を吐く。
・・・別に、興味なんてないけど。
「あっ・・・すみません!僕はシュウっていいます。えと、あなたは?」
律儀に自己紹介するシュウ。
思わず笑ってしまう。
「わたしはデルタガ・ベルアイル。・・・いわゆる悪魔よ。」
こいつにさっさと居なくなってほしくて。
"悪魔"と名乗る。
しかし、シュウは瞳を輝かせる。
まるで憧れの人物に対面した時のように。
・・・なんだこいつは。
「ところで、シュウ。あんた、早く視界から消えてくれる?」
中途半端な覚悟でわたしに関わらないで欲しいんだ。
結局皆、化け物と罵ってわたしに武器を向けてくる。
「目障りなの。」
そう言うと、シュウは悲しそうな表情をした。
それを見てわたしはこいつは変わり者だと判断する。
そして、くるりとわたしと逆方向を向いた。
「あの、ベルアイルさん。」
そこでくるりとシュウが振り返る。
「今日は拒否されちゃったので帰りますが・・・また明日、会ってくれますか?」
・・・本当に変わり者のようだ。
To Be Continued...