二人ぼっちのめるの話<幸福2>
巡の家族が亡くなって、約一ヶ月の間。
巡は常軌を逸した行動をするようになっていた。
酷く混乱していて、今にも命を絶ってしまいそうな。
そんな状態。
俺の家から近い病院に巡はいて。
毎日、毎日。
通った。
最初の数日間は会うどころか、追い返された。
せめて、と「めるが。泉めるが来たと伝えてください。」と言い残してから二日後。
病室に通して貰えるようになった。
すべてに恨むような、それでいて何も見ていないような目で。
巡は。
「久しぶりだね、める。来てくれて嬉しいよ。」
と、巡らしくもなく無表情のまま、抑揚もなく喋った。
俺は、それに蹴落とされて何も喋らずに。
ただただ、そこにいた。
巡の横で手を握っていた。
あちらこちらに爪痕が残る白い肌は痛々しくて。
俺は、巡を抱き締めたくなった。
そうやって、俺はただひたすらに。
巡の側に居続けた。
To Be Continued...