ふぇいりゃ!

英語表記だとFailure。失敗、という意味です。

移動のお知らせ

諸事情により、はてなブログでの更新が難しくなってしまったため、小説の更新などをこちらに移動します。

http://id43.fm-p.jp/582/Rafflesia/

ただいま書き直しをしておりますので、全くと言っていいほど書いていませんが、良かったらどうぞ。

ご迷惑をおかけします。

二人ぼっちのめるの話<幸福2>



巡の家族が亡くなって、約一ヶ月の間。

巡は常軌を逸した行動をするようになっていた。



酷く混乱していて、今にも命を絶ってしまいそうな。
そんな状態。



俺の家から近い病院に巡はいて。


毎日、毎日。
通った。


最初の数日間は会うどころか、追い返された。



せめて、と「めるが。泉めるが来たと伝えてください。」と言い残してから二日後。



病室に通して貰えるようになった。



すべてに恨むような、それでいて何も見ていないような目で。


巡は。




「久しぶりだね、める。来てくれて嬉しいよ。」


と、巡らしくもなく無表情のまま、抑揚もなく喋った。




俺は、それに蹴落とされて何も喋らずに。

ただただ、そこにいた。



巡の横で手を握っていた。




あちらこちらに爪痕が残る白い肌は痛々しくて。




俺は、巡を抱き締めたくなった。




そうやって、俺はただひたすらに。



巡の側に居続けた。











To Be Continued...

二人ぼっちのめるの話<幸福>


巡との待ち合わせの駅へと走る。

はやる気持ちが押さえきれない。




駅につくとそこにはあの1ヶ月が嘘のように、元気そうな姿の巡がいた。




「巡!!」


名前を呼ぶと、巡は綺麗な茶色の髪を風になびかせて振り返った。



「める。」



柔らかく微笑む巡。




「荷物もつぞ。」



手を差し出すと「じゃあお言葉に甘えて。」と一番軽そうな荷物を渡してきた。



こういうところ、変わらないな。


なんて笑う。






なんてことない日常。




これから巡と一緒に暮らせる。







この先にあるのはきっと幸せ。






To Be Continued...

繋がる話<failure>

巡が来る!!



俺は喜んでいた。





大好きないとこの巡が俺の家に来る。







巡は家族を亡くしたというのに、俺はそうやって。







喜んでしまったんだ。

















ーーこれは、全ての始まりと出逢った話。



一人ぼっちの巡の話<盲目6>


あれから一週間も経たないうちに、みんなの死体が発見されたらしい。



僕はというと、暫く錯乱状態で、まともに話もできない状態。

何度も腕を、首を、足を、掻き毟った。


そして今。
1ヶ月ほど経って、やっと落ち着いてきた。




その間親族で話し合ったらしく、僕は今日からいとこの家に引き取られることになった。



泉める。




僕によく似た同い年の男の子。

少し気弱な、可愛い可愛い僕のいとこ。




中学に入学してからというもの、忙しくて会えてなかったが、元気にしているだろうか。




今日はめるの家の近くの駅で待ち合わせの予定だ。







めるが来るのを心待ちにしながら、僕は電車を降りた。






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一人ぼっちの巡の話<盲目5>


目を覚ましたその時には、白が飛び込んできた。



白。ただ、白い部屋。





「ここは、」





・・・病室?





今は何月、何日?





「あら、目覚めたんですね。」




女の人の声。






「あの、お姉ちゃん達は・・・?」





「それは・・・。」




女の人は顔を背けた。







・・・そういうことか。













かくして僕は、

一人になった。










To Be Continued...